岡山県と拉致【調査会NEWS4005】(R8.2.5)

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<岡山県と拉致>

 荒木和博

 岡山県は拉致問題から一番遠い県のうちの一つかもしれません。全国の都道府県警察のホームページには特定失踪者(警察的には「拉致の可能性の排除できない事案」)のリストが載っていますが、岡山県警のリストで公開されているのは松村哲史さん1人だけで、なぜか調査会のリストで拉致濃厚になっている清水桂子さんは掲載されていません。そもそも全国の県警で特定失踪者のリストが掲載されたとき、一番遅かったのが岡山県警と滋賀県警だったように記憶しています(間違っていたら県警本部長にお詫びに行きますのでご連絡ください)。それだけ県警自体が拉致問題とか北朝鮮の工作活動に無関心なところなのかもしれません。

 正直なところ県警がそういう状態なので、岡山というのはそれほど怪しいことはないのかなと漠然と思っていたのですが、先日赤磐市議会で、ある議員さんの作成したチラシが問題になったという話を聞き少し思い直しました。

 チラシはその議員さんが平成30年(2018)に北朝鮮を訪問した「岡山県第14次日朝友好親善訪朝団」の一員として参加した時の報告です。「社会主義国家建設を困難な国際状況の中、政治外交力で強力に進める指導者は相当に賢明で、誠実な人格者なのだと思います」と書かれています。今から8年前のことではあるのですが、それにしてもまだこういうことを言う人がいるのかと、妙に感心してしまいました。

 ここには劉成日(リュ・ソンイル)日本研究所上級研究員の報告が載せられています。北朝鮮が核武装したと明言し、「生きている(拉致)被害者は1人もいない。日本側としては全員死亡を認めることで対朝鮮政策のカードを失うことで、対朝鮮政策が破綻してしまうから」などと言っています。それに訪朝団の皆さんがどう答えたかは書かれていませんが、少なくとも「核武装している」とか「拉致被害者は皆死んでいる」とか言われて反論した様子はありません。

 北朝鮮が核武装していると開き直るなら日本も当然抑止力として持って良いでしょうし、拉致被害者がもし皆生存していないということなら北朝鮮側にその責任を問うべきです(北朝鮮にとって拉致被害者は取引材料であり、おそらくこの「全員死亡」というのは逆に死んでいないことの証明と思います)。このチラシについては市議会でも問題になったそうですが、結局不問となってしまったとのこと。

 ところで今から24年前、第一次小泉訪朝の9月17日と5人の拉致被害者が帰国する10月15日の間に寺越武志さん(昭和38年5月叔父さん2人と漁に出て拉致)が一時帰国したことがありました。日本人寺越武志としてではなく、北朝鮮の労働組合幹部金明浩(キム・ミョンホ)としてだったのですが、あの時寺越さんは東京からも地元石川からも離れた岡山・広島に行って地元の労働組合との交流をしています。

 受け入れは自治労中国地連・全港湾・海員組合ですがわざわざ岡山まで行くというのは他に受け入れるところがなかったのか、あるいは受け入れたいと地元で手を挙げたのか分かりません。いずれにしても北朝鮮との結びつきが強かったのでしょう。ちなみに自治労中国地連はこの4か月前に訪朝団を送っており当時の自治労岡山県本部委員長がレポートを書いています。

 考えてみれば清水桂子さん(井原市で失踪)も松村哲史さん(岡山市で失踪)も、拉致であれば当然協力者ないし組織がいなければできないはずです。冒頭に書いたような県警の状況では心許ないですが、最近では草の根的な動きや自治体の動きもあるようですし、岡山県についても連携をとりながら見直す必要があるかと思っています。

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