拉致を軽視し続ける日本政府【調査会NEWS3518】(R3.10.26)

【調査会NEWS3518】(R3.10.26) ※このメールには返信しないで下さい。お問い合わせ等は代表荒木のアドレスkumoha551●mac.com(●を半角の@に変える)までお願いします。 ―――――――――――――――――――――― <拉致を軽視し続ける日本政府>
副幹事長 杉野正治
 平成25(2012)年3月18日、次のような記事が報じられました。
 (韓国)外務省は81年9月に大統領府安保政策会議のために「日本の対米対応姿勢と韓米日三角安全保障関係の発展展望」という報告書を作成。同報告書はソ連と北朝鮮の軍事的脅威の増大を挙げ、3国間の安保協力の必要性を強調する一方、「米韓が莫大な軍事負担を甘受している反面、日本は自国の経済発展にのみ専念し、自国民に対して北朝鮮の脅威を公開的に認めることを回避している」と、「日本の安保ただ乗り」に強い不満を表明した(ソウル時事)。
◆北朝鮮に対する日本の態度が明らかに
 おそらくは1981年の文書が30年を経過して情報公開法によって公開されたものでしょう。日本との交渉を前に、韓国外務省の中での非公開の会議でこのような分析が行われていたと思われます。当時韓国は全斗煥政権下で、北朝鮮のみならずその親分のソ連に対しても「反共」の最前線となっていました。そのために日米と連携して軍備に力を注いでいた中で、日本は北朝鮮の脅威に対し「知らんぷりを決め込んでいる」と不平を言っているのです。(もっとも記事は、「一方で、日本との安保協力の可能性は低い上、日本が自衛の範囲を超えた防衛力増強を図ることは、韓国の潜在的脅威になり望ましくないとも指摘。『日本に対し、韓国の役割に対する適切な評価と応分の経済協力を求める』方針を示した。」と続き、実際日本は1983年に韓国に対してODAなど40億ドルの経済協力を行いました)
 韓国が言う「北朝鮮の脅威」に「拉致」が含まれているかどうかは分かりませんが、北朝鮮に対する日本の姿勢が如実に表れています。つまり「日本は北朝鮮の脅威を知っているくせに気づかないフリをしている」ということです。北朝鮮が何か悪さをしても「国際問題になるから」などと言って情報を公にせず、ほとんどの日本国民にとって「アンタッチャブルな国」にしていったのです。
 おそらく拉致も、「知っていたのに気づかないフリ」をしていたのではないでしょうか。もし公然と知っているとなれば、警察や自衛隊、海上保安庁、入管と、ありとあらゆる対処をしなければなりませんし、そこに大きな予算を注ぎ込まなければなりません。また共産国と対峙するには、何よりも米国の顔色も伺わなければなりません。面倒なことになる前に「気づかないフリ」をしてアメリカに「丸投げ」したというケースもあったのではないかとも思えます。
 拉致被害者の政府認定が17名、うち5名が日本に帰国しましたが、拉致の可能性があるかもしれないと警察に寄せられた相談はおよそ900名近くに上ります。人数の問題ではないにせよ、「安全保障上の重大な脅威」を「刑事事件」に矮小化しようとする政府の姿勢は、今日にいたってもあまり変わっていないように見えます。
◆口先だけのセリフ ~一人の生命は地球より重い~
 例えば昭和52(1977)年9月19日、東京都の警備員久米裕さんが石川県で拉致されました(宇出津事件)。久米さんは拉致されたものの、これを手助けした工作員は逮捕され、石川県警警備課は暗号表や乱数表などを押収して北朝鮮の暗号解読に成功。2年後に同課は警察庁長官賞を受賞しています。しかしこのことは公表されませんでした。これをもとに新たな犯行を防ごうとする意図もあったのかもしれません。公安など外事警察はそうした捜査の仕方をしますし、これを否定するものではありません。
 ただそれは成果を挙げてこそ有効です。宇出津事件の2ヶ月後、横田めぐみさんが拉致され、翌年(昭和53年)夏には田口八重子さん、蓮池薫・奥土祐木子さん、地村保志・浜本富貴恵さん、曽我みよし・ひとみさん、市川修一・増元るみ子さんと次々に拉致され、さらには数百名に上る拉致疑惑のある人たちが、その後も不自然にいなくなっているのです。つまり暗号解読は拉致防止に何一つ役に立たなかったということです。もしこれが有効に活用されていたら、横田めぐみさんをはじめ多くの日本人の拉致を防ぐことができたのです。
 このことは官邸も間違いなく知っていたはずです。
 宇出津事件と同じ昭和52(1977)年9月、日本赤軍により日航機が乗っ取られる、いわゆるダッカ・ハイジャック事件が起きました。当時の福田赳夫総理大臣は「一人の生命は地球より重い」という有名なセリフとともに、人質となった乗員・乗客らの命と引き換えに収監された活動家を解放しました。その一方で、日本人が拐われていくのをみすみす見逃してきたのです。つまりはこの「脅威」に「拉致」は含まれなかったということであり、「一人の生命は…」というセリフが口先だけだったとも言ってもよいでしょう。
 「関係が悪化するから」とか「国際問題になるから」とか言って拉致を見て見ぬフリをしたのだとすれば、本末転倒も甚だしい。関係が悪化したから拉致をしたのではない。拉致をしてきたから関係が悪化しているのです。「国交正常化をしたら拉致問題は前進する」という人もいますが、そんなことは絶対にありえません。国交を樹立した瞬間に、北朝鮮は「拉致被害者などわが共和国にはいない」と一人も返して来ないでしょう。建国以来、そうやって相手国を騙し続けてこれまで生き残ってきたのですから。
 東西冷戦が終結しても、北朝鮮の脅威がなくなることはありません。ロシアや中国は軍事的にも経済的にも強大な脅威となりつつありますし、国連などの場では何かと北朝鮮をかばっています。そしてそのもとで北朝鮮の工作活動は一層激しさを増しています。そのもとで、彼らは核やミサイルを着々と開発し、いま私たちを狙っているのです。 ===================================   <調査会・特定失踪者家族会役員等の参加するイベント(一般公開の拉致問題に関係するもの)・メディア出演・寄稿・特定失踪者問題に関する報道(突発事案などで、変更される可能性もあります)等> ※事前申込み・参加費等についてはお問い合わせ先にご連絡下さい。 ※記載されている参加者は調査会・特定失踪者家族会役員のみです。
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★11月13日(土)17:30「草莽志塾」(同塾主催) ・かでる2.7(札幌市中央区北2条西7丁目 011-204-5100)JR札幌駅徒歩13分 ・代表荒木が参加 ・問合せ・出口塾頭(011-737-1798)   ※事前申込みが必要です
★12月4日(土)〜5日(日)「第3回北朝鮮人権映画祭」(同実行委員会主催) ・会場 新潟市民プラザ(新潟市中央区西堀通6-866 NEXT21 6F 025-226-5500)バス古町下車すぐ ・代表荒木・幹事三浦・幹事稲川が参加 ・問合せ 調査会
★12月12日(日)14:00 北朝鮮人権シネマフォーラム in 秋田(救う会秋田主催) ・秋田市文化会館  秋田駅からバス10分「文化会館・八橋球場前」下車(秋田市山王7-3-1) ・代表荒木・幹事松村が参加
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